院外処方を円卓する医療機関の増加や高齢者の増加する社会で投薬に頼る患者の増加により近年、病院周辺や人通りの多い地域に調剤薬局等の増加が目を引きます。このため、薬剤師の求人募集が続いてきましたが、人材不足に対処する省力化や機械化の波がこの業界にも押し寄せてきてスタッフの過剰感が出てきそうです。
求人募集で雇用条件の良い職場へ転職するスタッフ患者への薬の院外処方を選択する医療機関の増加により病院やクリニックの周辺だけでなく人通りの多い街中や駅の近辺にも調剤薬局やドラッグストアが近年、急速に増えてきました。この間、高齢者の増加も進んでいるため患者が増えて、服薬する人の増えてきたこともその増加の一因になっていますが、店舗数が既にコンビニより増えて過剰感が出ているようです。
従って、最近まで引く手あまただった求人募集により雇用条件の良い店舗へ転職する傾向が一段落しそうです。それでも若い人の調剤薬局への求職人気が高まっているため、6年前に薬学教育が6年制に移行して以来、更に国家試験合格者の増える状況が続いています。
新卒者の主な職場はこうした店舗の他に病院内の診療所もありますが、院内処方業務の減少により求人数は徐々に減っています。その他に、製薬会社や健康食品メーカー、化粧品メーカーにおける研究、開発業務等にも多数の資格所有者が働いています。
しかしながら、他の業界で人手不足を補うために自動化や機械化を進めている動きがこの業界にもよそ事でないはずです。調剤業務や在庫管理、あるいは服薬する人のお薬手帳の管理等は機械化の難しくない分野です。いずれ、調剤薬局やドラッグストアの調剤業務も最少人数で済むようになり、薬剤師過剰時代を迎えるはずです。
こうして、これからはお互いに生き残りの競争が厳しくなるはずです。このため、職場のスタッフ需給バランスが悪化することを見越してスキルアップを図っておく必要があります。
最初に気づく業務としては高齢化社会における役割の増大でしょう。高齢者の在宅介護や在宅看護がこれから本格的に増えていくので、高齢者に寄り添い、投薬知識の豊富な専門家の必要性が高まるはずです。
但し、高齢者とのコミュニケーション能力で代表されるように、店舗で行っている定型的な業務を超えた幅広い知識や経験が求められるでしょう。次に、高齢者に限らず、万人の病気治療用に新薬の研究、開発が更に進んでいくはずですから、企業や研究機関に在職して内外の学術情報を駆使する役割も高まります。
この業務では医療機関、特に、医師との切磋琢磨も加わるので不断の努力が求められ、店舗業務とは比較にならない役割の大きさです。日進月歩で進んでいく医療技術の学術情報には英文の文献や資料も多いので英語力も必要になります。
従って、薬剤師は医薬分業で雇用環境の良かった時代が続いてきましたが、国家資格所有者で転職を繰り返している程度では辿り着けない存在に成り下がってしまうはずです。実社会へ出てからもひたむきな向上心を持ち続けてスキルアップを図る専門家になることです。