留学することで薬剤師としてスキルアップを目指す人が増えています。現地で働きながら大学に通ったり、しっかり研究を行うためには、どの国を選ぶのが良いのでしょうか。気になる留学事情や海外での仕事内容について解説します。
国際免許はなくその国のみで使用可能薬剤師に限りませんが、医師や看護師など医療関連資格の免許はその国でのみ使用可能です。国際免許は存在しませんので、外国で有資格者として働くためには外国人向けの薬学試験を受けて実習を行うか、博士になってインターンを経験し、試験を受験する必要があります。
ただ、アメリカやカナダ、ヨーロッパの国でも、日本の薬学部を卒業すると単位が認められて大学院へ入学できる場合が多いです。但し国ごとに受験の条件は違いますので事前に調査が必要です。外国の大学で薬学教育を6年以上受ければ日本の受験資格を得ることができますので、帰国子女が外国で学んで日本に帰って来るというケースもあります。
いずれにしても語学は必要ですので、英語の検定試験や日本語の検定試験を受けて合格する必要があります。
外国の病院で研修を受けられる制度のある薬局などもありますので、仕事を始めてから短期留学するという方法もあります。中には年単位で長期留学を実施している大学や薬局もあります。働きながら外国で学びたい場合には、こうした制度を活用出来るところを探すのも一つの方法です。
欧米諸国では大学院入学に約300万〜450万円程度の学費が必要となりますし、他に寮費や食費など生活費もかかりますので、資金面は重要です。研修に参加する場合でも期間や内容によって100万円以上かかる場合もありますので、費用の捻出は大きなハードルでしょう。
こうした費用の面で留学を諦めざるを得ない場合は、研修制度がある薬局に就職するのも良い方法です。専門の転職サイトにはこうした海外研修制度のある薬局も紹介されていますので、チェックしてみましょう。
外国で働くために具体的に必要なものは、資格とビザ、語学力です。もちろん費用も必要ですが、それ以上に強い意志が必要でしょう。そして、もっとも大事なのが綿密な計画を早くから立てることです。
日本の資格を持っていると、韓国では国家試験に合格するだけで良いですが、アメリカでは大学を卒業する必要があります。これだけでも大きな費用の差が出ますので、目指す国を早く決めることも重要です。基本的には仕事は目的国へ着いてから探すことになりますので、夢を叶えるためには前々から入念に計画を立てて準備しておきましょう。
国によってはすぐに仕事が見つからないこともあります。各国の就職事情によりますので、時間をかけてリサーチが必要です。現地で働く人からアドバイスをもらえれば心強いですが、学生のうちから各大学が開催する国際交流を大いに活用するのも良いでしょう。