薬剤の知識を患者さんに提供する服薬指導には、ベテランさんのコツを知ることでスムーズに進めることができます。コミュニケーション力のみならず、服薬指導した後のことにもコツがあるようで、チェックしてみましょう。
服薬指導については、新人の場合にはすべてを口で伝えようとしてしまいます。しかし、医薬品メーカーが作成している指導せんを用いたり、説明書を自分なりに作ってみたりと、いろいろ考えてみると良いでしょう。食前に飲む薬でも、「最近物忘れがある」という患者さんがいるなら、薬袋に「食前」と赤のマジックで書いたり、お薬の説明書に蛍光ペンで注意事項に線を引いたり、患者さんがあとで見てもわかるようにします。
このほんの少しの気配りがポイントです。
服薬指導だけで業務が終わるのではなく、薬剤師は薬歴をパソコンに記入することも必要になります。最近の薬歴というとSOAP形式というフォーマット記入が一般的です。これで服薬指導をまとめておくと、情報も整理されているので、あとで何かしら気になったときや、患者さんに相談や問い合わせを受けたときに探しやすくなります。
また、調剤薬局によって「C」となるケアが追加されたり、「P」の部分が「Ep」となってより細分化されていたりもします。内容も細分化しておけば閲覧しやすくなるメリットもあります。患者さんの主訴や、話の内容を記入したり、患者さんの客観的情報を記入したり、そこから薬学的な考察を入力します。
最終的には今後行うケアについて記しておきますが、この薬歴が服薬指導にしっかり組み込まれるので、意識しながら話を聞き、項目をしっかり埋められるようにしましょう。
薬歴とは、薬剤服用の管理簿になります。安心、安全に薬物治療を行うために記入します。患者さん一人ひとりに合わせた服薬状況を記入していますし、体調変化も記入します。他にも、併用している薬についてや、他科受診履歴について、さらにはジェネリック医薬品への意向についても明記しましょう。
記載するときには、自分だけがわかるのではなく、他の薬剤師が見てもわかるように意識しましょう。長々とした文章よりも箇条書きにするのが分かりやすいでしょう。
指摘された項目についてもアドバイスをもらい書き換えるようにして、共有しましょう。