薬剤の服用を指導することもある薬剤師は、患者のアドヒアランスを向上させることも重要な仕事です。患者のアドヒアランスを向上させることにより、患者がより安全に薬剤を服用できます。ここでは、この仕事をしている人の重要な目的である患者のアドヒアランスの向上について解説します。
薬剤師は患者に調剤や服薬の指導をすることで、患者のアドヒアランスを向上させることができます。アドヒアランスとは、薬剤を使用することや病気の治療について、患者自身が大きく関わることです。
処方された薬剤を正しく服用するために重要な考え方です。アドヒアランスは、患者が自分の意思を持っているというところに大きな特徴があります。医師から処方された薬剤を言われたとおりに服用するだけでは、アドヒアランスを向上させることはできません。
患者自身が医薬品の服用に能動的に関わることにより、アドヒアランスを高めることができます。病気を治療するためには処方された薬剤を正しく服用しなければいけないという意識を持つことにより、患者自身が自分で薬剤の服用を管理することが可能になります。
こうした意識を患者に持たせるためには、薬剤を調剤する人も努力が必要です。
患者のアドヒアランスを向上させるために薬剤師ができることは、使用する薬剤の効果をしっかりと説明することです。薬剤の効果だけでなく、副作用のことも詳しく教えておく必要があります。
薬剤の効果と副作用を患者自身が正しく理解することにより、患者が処方された医薬品を服用するか自分で決めることができます。こうした考え方が広く浸透するようになったのは、患者の自己決定権を重視するようになったからです。
病気の治療をするためには患者が自分の病気のことを正しく理解する必要があり、薬のことも正確に理解することで、患者が自分にとって最適な治療法を選ぶことができます。
アドヒアランスを向上させることの目的は、患者が主体的に病気の治療に関われるようにすることです。病気の治療をするのは医師ですが、患者自身も治療に関われるようにすることで、治療をより効果的に進めることが可能になります。
患者のアドヒアランスを向上させるためには、患者と強い信頼関係を作ることも必要です。