必見！薬剤師の仕事を学ぶ

医師、看護師などと並んで、薬剤師は病院の医療チームの一端を担い、患者さんに、適切な薬剤の処方という観点から治療を施す役割を果たしています。ここでは、どのような役割を果たしているのかを具体的にみていきたいと思います。

医療チームの中での役割は大きく分けると２つ

まず前提として、医療チームの中で担っている薬剤師の仕事内容を鳥瞰してみたいと思います。第一に、薬剤の総合的な管理を担うことで、医師や看護師など他の医療従事者の負担を減らし、患者さんの安全で効果的な薬物療法を提供しています。

第二に、処方権を持つ医師に対して、医薬品の処方設計とアドバイスをする役割があります。また、患者さんやその家族に対しても、服薬指導や相談に応じる役割があります。このような役割を果たす中で、その副次的な効果として、チーム医療に参加し自分の専門性を高めるとともに、他職種との連携やコミュニケーション能力を向上させることができるのです。

単に調剤だけでないさまざまな働き

では、チーム医療として具体的な仕事内容としてはどのようなことをしているのでしょうか。病棟や外来で医師や看護師と連携し患者さんの薬物治療計画に関与しています。処方箋のチェックや薬歴の管理、服薬指導などを行い、患者さんの安全性や有効性を確保する仕事も大切な仕事の一つです。

また、がんや糖尿病などの特定の疾患に対するチーム医療に参加し、専門的な知識や技術を提供します。抗がん剤の調製や投与管理、血糖値のモニタリングやインスリン治療などを行い、患者さんのQOLを向上させています。

さらに、在宅医療や地域包括ケアシステムにおいてもチーム医療に参加し、在宅医師や訪問看護師と連携します。在宅で使用する医薬品の選択や調整、配送管理などを行い、在宅で安心して治療が受けられるようにサポートもします。

高齢化社会の進展の中でますます役割が拡大してゆく

このように、薬剤師の役割は単なる調剤師としての立場から、その役割が拡大していっています。その背景には高齢化社会による社会の変容があります。辺境な地域に取り残された高齢者に対して適切な治療を提供するために、主として在宅介護という方面から、医師や看護師とともに高齢者の患者さんに対するメディカルサポートの一旦を担うようになってきているのです。

適切な処置ができる院内とは違い、在宅においては投薬に関する適切な指導や薬剤による副作用に対する適切な処置は臨機応変にはできにくい状況にあります。それをサポートする役割を担うようになっているのです。