必見!薬剤師の仕事を学ぶ

2023年12月23日

病院と在宅をスムーズにつなぐ退院時カンファレンス

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入院していた患者が退院して自宅での治療に切り変える際には、医療スタッフや家族との連携が必要で、そのための情報共有の場が退院時カンファレンスです。病院側と在宅医療を支える側の医療スタッフと患者家族が集まって行われ、薬剤師も医療スタッフとして参加することになります。医師や看護師とは違った役割を果たす重要な立場での参加です。

退院時カンファレンスで参加者が共有する情報

退院時カンファレンスでは、様々な情報が共有されることになりますが、参加者が誰なのかの確認は必ず行われます。立場によって提供される情報に違いがあるので、その情報がどの立場の人から出たものなのかの把握は不可欠です。

病院側からは、入院から退院に至るまでの経過と退院後に留意するべき点などが提供されます。在宅医療を支える側からは病院から提供された情報を基に、在宅でどの程度自立した生活を行えるのかなどを判断し、今後の方針に関する提案を行います。

もちろん、家族への説明と同時に家族からの希望や提案も共有することになります。

退院時カンファレンスで薬剤師が果たすべき役割

病院側のスタッフとして参加する場合は、入院中に行っていた服薬に関する情報を提供することになります。在宅医療の側で参加する場合は、その情報を基にして帰宅後の服薬に関する提案を行います。単に病院で行っていたことを引き継ぐだけでなく、新たな方針の提案が求められます。

病院で可能なことすべてが在宅でも可能なわけではないので、出来ないことは代替手段を考えて適切な在宅での服薬方針を提案するという重要な役割です。双方で丁寧な連携をして、スムーズな移行を実現し途切れることのない服薬のための最良の方針を見つけ出さなければいけません。

退院時カンファレンスを円滑にする日常的な情報交換

病院から在宅への移行がスムーズになるように退院時カンファレンスを実施しますが、その時だけの交流では十分な情報共有ができない場合もあります。退院時カンファレンスには、医師や看護師など他の職種の人と情報を共有することになります。

職種が違えば、感覚も違っているかもしれません。その時だけの交流では、誤解することなく理解し合える関係を作るのは難しいです。日頃から可能な限り職種の違う専門家と顔を合わせて情報交換をしておくと、退院時カンファレンスでも、相手の伝えようとしていることを理解しやすくなります。