近年の薬剤師国家試験では、基礎科目(物理、化学、生物)や衛生に関する問題が増えており、これらの問題は臨床現場での応用を意識したものが多いです。ですので、基礎的な知識を学ぶだけでなく、それが臨床現場でどのように応用されているのかも理解することが重要です。基礎科目の対策と傾向を一部ではありますが、ご紹介していきます。これから試験勉強をしていく方や、現在勉強中の方も是非参考にしてみてください。
衛生学では、法律の改正点や公衆衛生に関するトピックが扱われることがあります。特に、薬物乱用に関する報道が多くなっていますので、乱用薬物の作用、代謝、検出対象、摂取方法、構造式などに関する知識を理解しておきましょう。
近年のテストには薬物乱用に関する問題も出題されました。これらの領域においては、基礎的な知識の理解はもちろんのこと、応用力や問題解決能力を養うことも重要です。様々な問題に対して臨機応変に対応できるように努めましょう。
物理系領域の特徴や出題傾向については、臨床現場で使用される臨床機器の原理や医薬品の物性に関連する出題が多いことが挙げられます。例えば、臨床検査機器の原理や医薬品の分析方法についての問題が出題されます。
これらの問題は臨床に関連するため、勉強する際は興味を持ちながら進めると良いでしょう。特に分析化学の出題頻度が高く、化学平衡、画像診断、クロマトグラフィー、センサやドライケミストリーに関する出題が多いです。
分析装置の測定原理や装置についての理解を深めることが重要です。
化学の科目では、構造をみて判断する問題が頻出します。官能基の性質や基本的な知識を習得するだけでなく、その知識を化学構造に結びつける力を養うことも重要です。問題解決の際に、どの知識が必要であり、何を理解すれば答えが分かるのかを意識しながら解答するようにしましょう。
生物の学習では、図表や実験結果から情報を読み取り、判断する問題が多く出題されます。身体の器官や組織の構造や機能、生体成分の構造や代謝に関連する知識を早期に修得することが重要です。また、健常な状態だけでなく、加齢や疾患、薬剤の影響などもイメージできるようにしましょう。
2つの科目からわかる通り、身体の構造や、薬の作用に関する暗記が求められます。