必見!薬剤師の仕事を学ぶ

2024年02月01日

小児に対して服薬指導する際の大人との違い

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小児に対する服薬指導は大人に行うそれと同じではありません。小児は自分の体の不調を的確に捉えることができないですし、自分の意志を明確に言葉で伝えることも得意ではありません。保護者からの聞き取りによって得られる情報を頼りにするしかない面が大きくなります。更に小児の体は成長の過程にあり個人差も大きいので、服薬指導には大人に対する以上に慎重さが求められます。小児の特徴を理解して心に留めておくことが大切になります。

小児は薬の効果や副作用に成人とは違う点がある

小児は、胃や腸などが持っている薬を体内に吸収する力が成人とは違います。また、肝臓や腎臓などの代謝や排泄の機能にも差があります。それらの能力は薬剤の効果に大きな影響を与えるので、時には薬が効きすぎてしまうことがあります。

逆に想定していたよりも効かないということも起こり得ることです。これらは薬の本来の目的に関することだけではなく、副作用についても同様に起こります。小児の体形などを十分に考慮して適切な量を判断するとともに、経過を慎重に観察することが大切になります。

小児のアレルギー対策は成人よりも慎重さが必要

小児の場合は、アレルギー反応についても慎重に確認することを忘れてはいけません。大人の場合は、自身のアレルギーについて理解していることが多いので本人からの聞き取りである程度は把握することが可能です。小児は初めて投与される薬剤であることも多く、免疫がどのような反応をするのか分からない場合が多いです。

大人のように違和感を表現することも得意ではないので周囲の人が見ておかなければいけません。保護者に頼り切ってしまうのは得策ではなく、薬剤師が薬剤の専門家として経過を観察しなければいけません。アレルギー反応は数時間経ってから起こることもあるので、経過観察が重要になります。

時にはアナフィラキシーショックと呼ばれる危険な状態を引き起こすこともあります。それらを念頭に置いて、保護者の協力を得ながら慎重に服薬指導を行うことが大切です。

服薬指導は本人ではなく保護者に対して丁寧に行う

小児の服薬指導は保護者に対して行うことも頭に入れておかなければいけません。小児と言っても、ある程度の年齢になると言葉を理解して気持ちの良い返事をする子供もいます。

いくら返事が良くても子供なので、保護者に対して丁寧に服薬指導をすることが大切です。その際に、子供が薬を嫌がって飲んでくれない場合も想定しておく必要があります。小児でも嫌がらずに薬を飲んでもらう方法はいくつかあるので、事前に頭に入れて保護者に伝えることも重要な服薬指導です。