必見!薬剤師の仕事を学ぶ

2024年03月18日

患者さんの本心を聞き取るにはどうすれば良いか

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薬剤師は患者さんとのやり取りから薬の効き具合、副作用などを聞き取り、それらをより良い治療に結び付けます。ですが、間違ったやり取りや気付けなかった、などの不注意で患者さんの大切な声を聞き逃してしまう場合があります。では、どのようにすれば患者さんの声をきちんとキャッチすることができるのでしょうか。

オープンクエスチョンで具体的な答えを導き出す

患者さんには様々なタイプの方がいて、自分の病状や服薬の効果などを的確に話してくれる方もいれば、上手く話すことができない方もいます。この、上手く話せない方、あるいは医療従事者側から知りたいことを話していない方に対しては、薬剤師はオープンクエスチョンを意識して話すことがポイントとなります。

オープンクエスチョンは、患者さんが自分の症状などを伝えやすいように導く質問方法のことで、治療現場ではよく使用されている方法です。例えば痛みの軽減を知りたい時は、「痛みの方は落ち着きましたか」と聞くと「まだ痛い」や「痛みは落ち着いた」という答えしか返ってきませんが、「痛みの方はどのように変わりましたか」と聞くと、患者さん側は「座るのが楽になった」や「歩くのが苦痛ではなくなった」など、具体的な答えをすることができます。

このように、患者さんとやり取りをする時は、相手が具体的に答えやすいように質問をすることが大切となります。

身体が不自由な患者さんに対する服薬支援

また、患者さんの中には病気やケガの後遺症、年齢による筋力の低下などで小さな袋を手で開けることや、シートから薬を取り出すことが困難な方がいます。それは処方箋だけを見ただけでは分からないもので、対面をして患者さんと話すことがあっても見た目だけでは、マヒや筋力の低下などに気付けないこともあります。

ですが、注意深く観察をするとどこかぎこちなかったり、病状から察することができたりしますので、服薬指導の時には患者さんの一挙手一投足に目を配ることに集中することが大切です。なお、薬を包装している形状が患者さんにとって扱いにくいと判断した場合は、袋を開ける、錠剤を取り出す、などの補助となる道具がありますので、それらを患者さんに提案をする服薬支援を行います。

言葉が出てこない子供を相手にした時

そして、患者さんの中には子供が含まれている場合もあり、相手によっては患者本人の本心や体調の変化などを聞き取れないことがあります。そこでカギとなるのは、家の中で子供の世話をしている身近な大人に普段の子供の様子を聞くことです。

いつもの様子から、服用を始めてからの変化などをしっかりと観察してもらい、子供が言語化できない部分を補ってもらう必要があります。なお、子供は年齢に限らず引っ込み思案な性格の子もいますので、小さな子供に限らず小学生や中学生、高校生なども対象となります。

この時もオープンクエスチョンが基本となりますが、子供本人に質問をする場合は病気や症状、薬などから一旦離れて、学校や玩具、流行しているものなど相手が話しやすい話題から入ると、話している内に言葉が生まれてきますので根気よく話をすることが大切です。