薬局やドラッグストアの店舗がコンビニの店舗以上に増えて、これ以上増やせる余地がなくなってきたようです。しかも、薬学部の入学定員数を絞っていく計画が発表されているので就職口の狭まることが心配される将来像が待ち構えていると心配する側面がありそうです。
院外における調剤業務が進んできて、地域の中核病院や大学病院など、診療科の多い病院の周辺には何軒もの薬局やドラッグストアが増えました。薬局などで調剤業務等を取り扱うには薬剤師の国家資格所有者を配置する必要があり、最近、10年間くらいは待遇を良くしないと求人難を囁かれる状態でした。
ところが、こうした店舗がコンビニの店舗数を超えるまで増えて、薬局やドラッグストアをこれ以上増やせる余地がなくなったと言われる段階に達しました。今後、薬学部の入学定員数を絞っていく計画が先ごろマスコミで報道されていました。
これから大学などの薬学部進学を目指す若い人にとって就職口の狭まることが心配される将来像が待ち構えているかもしれません。
ところが一方で、社会が輻輳化すればするほど、国や都道府県などには様々な薬事監視業務が増えていて、薬剤師の活躍していく分野として社会の期待が高まってくるようです。行政サイドから医薬品の使用の徹底指導あるいは保管や管理には益々、目を光らせていないと社会の安心、安全が維持できない恐れが高まっているからでしょう。
白衣を着て薬局などで顧客対応する姿に憧れて薬学部への進学を目指す若い人の想像する姿とは全くの別物に映るでしょう。公務員として医薬品の試験検査や麻薬品取り締まりなどの業務では医薬品の取り扱いにも増して関連する法律などの知識を駆使する日々の連続でしょう。
また、気候変動が激しくなり、国土の7割が森林などで占められている国内各地では大規模災害の発生が益々増えてくると予想されています。一度、大災害が発生すれば早急に医療救援チームを編成して被災者の救助に向かう必要があります。
こうした医療救援チームには医師や看護師の他に治療薬の使用指導を行う医薬品取扱いの専門職が必要不可欠です。
特に、高齢者の増えている社会ですから以前にも増して多数の医薬品取扱いの専門職が配置されないと避難所などが正常に機能できないことになるほどでしょう。高齢者であれば生活習慣病初め、様々な病を抱えているでしょうから医薬品取扱いの専門職は持っている知識をすべて吐き出して行動する必要がありそうです。
ここ数年、コロナ禍感染問題が蔓延したままですが、大波が来るたびに医療機関や保健所職員が身を粉にして動き回っている姿を多くの国民が見守っています。大規模災害時の避難所の姿はこのコロナ禍感染が急拡大中の医療機関の姿そのものでしょう。
こうした職場には薬剤師資格を持った職員が多数働いていることが想像できるでしょう。