薬剤師として成長するために必要なことは何かと訊かれれば、薬学の知識を高めてプロとしての経験を積むことと答える人が多いでしょう。確かに、それらが大切なのは言うまでもありませんが、専門的なこととは違う大切なこともあります。特に新人は、積極的に取り組んで若いうちに習得しておくと、成長のスピードに大きな差が出ます。
社会人として仕事を始めると、求められるのがビジネスマナーです。薬学の専門職だから関係ないというわけにはいきません。ビジネスマナーの欠如は、新人が先輩たちと上手く付き合えない原因になることが多いです。
専門性の高い職業だから、専門知識と経験が大事と思い過ぎてしまっているのかもしれません。しっかりとあいさつをしたり、決められた時間を守ったりすることは、最低限のビジネスマナーです。上司や先輩の名前も一度聞けば覚えなければいけません。
学生時代のように、何度も会っていれば覚えられるというような感覚で仕事をすると、信頼される立場にはなれません。
求められるコミュニケーションスキルも、学生と社会人とでは違いがあります。学生のように気の合う人とだけ仲良くすればいい立場ではなく、周囲の人全てとの関係を良好にする必要があります。
自然に任せるような悠長なことを言っていたのでは出遅れてしまいます。積極的なコミュニケーションが求められますし、報告、連絡、相談いわゆるホウレンソウに対する意識も強く持っておく必要があります。
薬剤師資格は、勉強しなくても取得できるような簡単な資格ではありません。資格を取得している人は勉強することには慣れているでしょうが、就職してからも同じ方法ではいけません。学生としての学習は、基準になるカリキュラムなどが存在しています。
極端な言い方をすると、言われたことをまじめに熟していけばゴールに辿り着くという仕組みになっています。社会人になるとそうはいかず、自分なりの学習方法を構築する必要があります。仕事をしながら、適度な学習時間を無理なく日常生活の中に組み込む必要があります。
また、情報に関しても受け身では十分に得られないことが多いので、能動的に収集することが求められます。もちろん、情報収集能力も高めていかなければいけません。