必見!薬剤師の仕事を学ぶ

2017年06月25日

不治の病に苦しむ患者をサポート

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HIV感染症は日本でも年々増加しており、他人事ではない病の一つとなっています。HIVにかかってしまった場合、現在の医療では長期にわたって抗HIV薬を服用しなければなりません。そのため、患者さんに最適な薬剤を選択して治療に貢献する、専門性のある薬剤師がHIV感染症専門薬剤師です。そこでここでは、その特徴をご案内いたします。

HIV感染症専門薬剤師が登場した経緯とは

HIVに対するイメージは昔と比べると変わりつつあります。医療の進歩に伴って、しっかりと治療を行えば薬物療法で症状をコントロールすることができます。しかし、HIV感染症の治療に用いられる薬剤には、相互作用が多いものや、重大な副作用があることが特徴として挙げられます。

そのため、薬物療法は慎重に行わなければなりません。また、適切な服薬方法の中で長期間継続しての服薬が必要となります。これを続けなかった場合、患者さんの治療効果が低下するだけでなく、感染拡大にも繋がるといった恐れがあります。

このように、他の病とは全く異なる特殊性があるため、登場する経緯となりました。

主な仕事内容と求められる適性とは

患者さんとの良好なコミュニケ−ションを築くと共に、患者さんの意志を尊重しながら、服薬指導等を総合的に行うことが主な仕事内容となります。さらに、薬物療法を安全に実施しながら、有効な結果に結びつけることも求められます。

また、新薬の開発も常に行われており、臨床試験も常に実施されています。その臨床試験にも積極的に参加して、臨床デ−タの取得に努めることも役目として挙げられます。適性として求められることは、HIV感染症についてその病態を深く理解していることです。

そして、HIV感染症に使用される薬剤の効能や体内動態等を十分理解していることも併せて求められると言えるでしょう。

HIV感染症専門薬剤師になるには

まずは、薬剤師の実務経験が5年以上なければなりません。また申請時にHIV感染症患者に対する指導に3年以上従事しており、HIV感染症関連の実技研修を16時間以上履修していることなどが条件になります。

資格を満たしていれば、講習会を所定の単位分参加し、認定試験に合格するなどして資格を得ることができます。HIVは難しい病気の一つと言われています。効果的な新薬が開発されたとしても、患者さんがすぐ適応できるとは限りません。

そこで、現場で誰よりも率先してサポートすることが大きな役割とも言えるでしょう。また、HIVへの恐怖や病状の進行に悩む患者さんに適切な対応を施し、病気と前向きに付き合っていけるお手伝いができるやりがいのある仕事と言えるでしょう。