必見!薬剤師の仕事を学ぶ

2017年08月26日

在宅医療に介入する薬剤師の仕事とは

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高齢化社会が急速に進むなかで、医療の形も変わりつつあります。そのテーマとも言えるのが、在宅医療です。家族や介護職員、そして医師や訪問看護師との連携で成り立っており、今後も需要は拡大されると言われています。

そこで近年注目されているのが、薬剤師の在宅医療への介入です。これまでは、薬の管理まで必要性が感じられていませんでしたが、慢性的な病気を抱えている方や認知症を患っている方にとっては日々の薬の管理がとても重要だと認識されるようになってきました。

しかしながら、在宅の場合には病院とは異なり医師の訪問回数は限られています。そのため、薬の管理は訪問看護師が兼務している場合が多いですが、看護師は薬の専門家ではないため、時に知識に欠けることがあります。介護職員も医療に関する知識がそれほど豊富ではないため、きちんとした薬物管理が行われていないことが在宅医療の課題となっていました。

処方箋通りに服薬できていなかったり、飲み忘れで薬がたくさん余ってしまったりすると、病状が悪化するケースもあります。そこで薬剤師は薬の専門家として、在宅で療養を行っている通院が困難な方に対し、医師の指示に基づき患者さんのお宅を訪問します。

そして薬の正しい飲み方の説明や副作用・相互作用の確認、保管方法の説明などを行います。例えば、飲みにくい薬を他の薬への変更や検討を一緒に行っていきます。錠剤が飲み込めなくなってきた患者さんがいれば、医師に相談して口の中で溶ける崩壊錠に変更したり、嚥下困難な患者さんにはゼリー食と一緒にすることで、服用が楽になることがあります。

また、薬の副作用や飲み合わせの確認も行います。患者さんの体調を把握し薬の効果や影響を確認することで、生活の質の向上にも繋がります。さらに、飲み忘れが多い場合の対処も考えていきます。患者さん並びにご家族と検討し、一包化や服薬カレンダーを利用することで飲み忘れを防止していきます。

この様に、在宅に関わることでより細かな仕事が求められますが、より患者さんと密に接していきたいという方には適した現場と言えるでしょう。