必見!薬剤師の仕事を学ぶ

2017年08月28日

スキルアップの鍵も握る専門職の資格

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

感染症は1人ではとどまらず、次々と広がっていく厄介な症例です。世界に存在する様々な症例に加え、新たに発生するものもあって今後も増え続けると予想されます。最近よく耳にする院内感染などもその1つで、感染源を迅速に特定し拡散を防ぐ対策が求められるようになりました。

そんな流れを受け2006年に始まったのが感染制御専門薬剤師の講習会と認定試験です。この資格を目指すには感染制御認定薬剤師になる事が条件です。そのためには条件がたくさんあり、まず薬剤師免許を有している必要があります。

さらに5年以上その資格を生かした仕事をし、認定されていなくてはなりません。また感染対策委員会や感染制御チームの1員として3年以上の経験も必要です。施設内での貢献した業務や対策の内容を20例以上報告し、協会の認定する講習会を20時間以上10単位を履修したうえで病院長又は施設庁などの推薦をもらって試験に合格することで初めて感染制御専門薬剤師を目指す入り口に立つことができます。

専門を名乗るにはさらに感染防止対策に関する学会発表を3回以上行わなくてはなりません。なおかつ1回は発表者でなければならないといった取り決めもあります。全国的な学会誌や学術雑誌に学術論文を2編以上掲載されることも条件で、これにも1編は筆頭筆者であることも求められます。

これらの条件を満たしたうえで試験に合格することでやっと専門の認定を申請することができるほど厳しく貴重な資格です。抗菌薬や消毒薬の適正使用やカテーテル・注射針などの院内衛生の管理だけでなく、感染防御チームの1員として感染症の予防にたずさわっていくのが主な仕事内容になりますが、大きな病院などで指導的な立場で教育に関わっていくことも可能です。

専門職を目指すのは厳しい道のりですが、スキルアップしていく上での重要な鍵も握っています。現状に甘んじることなく、大きな目標に向かって1歩1歩歩み続けてください。