必見!薬剤師の仕事を学ぶ

2017年09月10日

切り離された分だけむずかしい面も

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今や、医療機関は治療を受けるところであり、薬は医療機関では出されないものという認識が当たり前になってきました。処方箋を持って受け取りに行くことが普通になった今、薬剤師の仕事内容は複雑になってきています。

医師の処方と患者の受け取りの間の立場

昨今、医療の実施と薬の処方は、完全に分けて考えられるようになりました。どのような処方をするかや、どのように服用するかの指示は医師から出るのですが、服用にあたってわからないことがある場合、患者から直接疑問を受けるのは薬剤師です。

そのため、医師の指示と相違があってはいけないことから、疑問に思われる点があれば、診療中ならすぐに医療機関に問い合わせをする必要があります。かつては院内処方でしたので、すぐに医師に確認が取れたところが、院外処方になり、医療機関が診察を終えている時間帯に取りに来る患者もいます。

連絡が取りにくくなった分だけ、医療機関への問い合わせの時間には注意が必要となっています。

自分の判断だけで言えない難しさ

どのような処方がされており、どのようにして服用しているかを確認することも重要な業務ですが、中には医師の説明をあまり聞いていない人もいれば、特に医師から服用の仕方について説明がなかったという人もいます。その場合、専門家であるとはいえ、医師の説明と矛盾するようなことを安易に言うわけにはいきません。

もし疑問を投げかけられたとしても、一度、医師に聞いて確認するようにと、穏やかに促すような話術も必要になってきます。尋ねたのに答えてくれなかったという不満を持たれるかもしれませんが、矛盾することを言ってしまうよりも安全ですし、実際のところ、うかつなことは言えないのが実情です。

切り離されたからこそむずかしい面がある

院内処方であれば、すぐに医師に確認して処方を見直したり、医師の指示のもと、患者の疑問に専門家としてすぐに答えることができますが、それができないケースを生み出したところが、分業されたことの一番の弊害と言っていいでしょう。

受け取りにかかる時間短縮が待ち時間短縮につながったという面では評価されますが、切り離された分だけ、薬剤師にとってはむずかしい一面を生み出す結果になったのは間違いありません。

とはいえ、専門家としては、切り離されたからむずかしいのでできないということは言えませんので、医療機関に問い合わせられるのであれば、速やかに行い、後日確認ということになれば、医師と患者との間に立って的確に仕事をすることが求められます。